第10回 Webクリエーション・アウォード
過去の受賞者をたずねて
第5回受賞者 近藤弘忠氏Web人賞
ヤフー株式会社
メディア事業統括本部 広告本部
広告プロダクトマーケティング部長
ソリューション推進部長
「インターネット広告」
※社名・肩書き等は受賞当時のものとなります。
インターネット広告が、今よりももっと世の中に役に立つような指標やシステムを模索中
「Yahoo! JAPAN インターネットクリエイティブアワード」の運営や、行動ターゲティングなどの“伝わる仕組み”の研究・構築、ネット広告の効果を計る共通の指標づくりの中心的な役割を果たすなど、ヤフー株式会社の近藤弘忠氏は広告業界全体を盛り上げる精力的な活動を続けている。その近藤氏に、近年注目・注力していることについて伺った。
会社のイントラネットで紹介されましたので、社内ではけっこう注目されました。弊社社長にも「仕事してるじゃん」と言われました(笑)。
――クリエイターにはしっかり認知された印象のある「Yahoo! JAPAN インターネットクリエイティブアワード」ですが、立ち上げから現在の運営までを担われたご本人としては、これからさらにどのようなものにしていきたいとお考えですか?
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運営サイドの我々がようやく慣れてきたな、と感じています。そもそものきっかけは、社長の「アワードがあったほうがいいよね」という一言に、僕が「そうですね」と答えてしまったことなんです(笑)。アワードの目的のひとつは、トップクリエイターの方たちにインターネット広告に入ってきていただくことです。しかし立ち上げ時には、クリエイターと接点のなかった我々が、誰に声をかけてどういうふうに集めたらいいのかもわからない状態でした。そこで株式会社宣伝会議さんに協力していただき、審査員を決めてまずその方たちの話を聞くところから始めました。今では学生も応募できる一般部門に関しては、おかげさまでクリエイターの登竜門という認知をいただいています。これをさらに、入賞するともっと活躍の場をご提供できるようなものにしていきたいと考えています。ヤフーに出していただいている広告を見ていても、クリエイティブによってその結果は違ってきますので、クリエイティブの部分はまだまだ手を入れられるのではないかと思っています。 |
去年2回目の結果発表を行いましたが、1回目より問い合わせを多くいただいており、以前にもまして興味をもっていただいています。ROIやROASなどで示される費用対効果についても、広告出稿側の企業様にその必要性がはっきり顕在化してきています。しかし、そのニーズに対応できるものは、このネット広告指標だけでは足りていないと思っています。例えば、インターネットの広告で、ターゲティングをかけていないものが少ない状況の中で「ネット広告バリューインデックスプロジェクト」には、まだターゲティング評価は入っていません。今の指標だけでは足りない部分をどうしていくか、そこが今後の評価の課題だと思っています。
――そのインターネットならではの広告手法、行動ターゲティング広告についての推進と啓蒙活動に力を入れていらっしゃいます。改めて、行動ターゲティング広告について、また、最近の同手法の広がりや認知度、効果について、教えてください。
企業によって微妙に違いがありますが、弊社の行動ターゲティングの基本は、Yahoo! JAPAN内でのユーザーの行動履歴を基に広告配信を行う仕組みです。①ヤフー上のページのウェブコンテンツの閲覧、②特定キーワードによる検索、③バナー広告などのクリック履歴の3つを使って行動履歴とし、独自の基準で分類し蓄積します。この蓄積されたデータを基に、ユーザーの興味や関心に対して広告が表示されます。ただし、当然のことですが個人特定はしていません。
これまでの媒体との差別化を求められるネット広告においては、今では普通にご活用いただいています。また弊社の特徴としては、母数(閲覧者)が多いので、ターゲティングで絞り込んでも、ある程度の大きさになるので効果が高いということがあります。ターゲットを絞れるし、なおかつ絞る種類もたくさんつくれますので、ご利用頂きやすいようです。
2つあります。
まずは、企業様によってネット広告に求めている目的が様々であることが、やっと実感できてきたところです。そして、それに合わせてどうやってサービス提供していくか、というところに関心をもっています。企業様によるネット広告の目的は、大きくいうと3つに分けることができます。1つは、ネット内で完全にビジネスが完結するもの。例えば保険のように、1クリックのコストとビジネスでいくら売り上げるかがつながることが目的のものです。2つ目は、自社のサイトに誘導し、商品のよさと、クリエイティブを印象づける目的のもの。車のサイトなどがいい例です。3つ目は、リアルの店舗に足を運んでもらう目的のもの。流通などがあたります。このうち、我々は2つ目までのところで大きなビジネスをしていますが、今後は3つ目ヘの取り組みをどうやっていこうかと考えているところです。言うなれば、リアルとバーチャルの融合ですが、今ここに来て、本格的にやっていかないといけないなと感じています。
テレビで広告を打てば、人は実際に動きます。ネットでそれができるのか。ネット広告はそれ単体で、リアルな店舗のプロモーションにどのような効果があるかは未知数です。しかしながら、役に立つことが提供できることは、自信をもっています。我々はそれをインサイトと呼びますが、それを広告主や広告会社に提供できるようにしたいと思っています。どうすればインターネットをいちばんうまく使っていただけるか、探求していきたいですね。
そうですね。もう1つブレークスルーしたい点は、1つのコンテンツ(広告)を、マルチデバイスでどう出していくか、ということです。最近ではPC以外でネットを見る人が増えてきており、ネット利用時間のデバイス間の分散化がでてきているように思います。また、テレビの多チャンネル化と同様に、PC、携帯電話、スマートメディア(iPhone等)など、ネットを見る機器も多様化し、PCだけではネット広告を使いこなしているといえなくなってきていると思います。さらに、IT家電やサイネージ(電子看板)も出てきています。それらに対して、行動ターゲティングを基に、横串をどういう風に刺していくか。例えば、車を探している人に対しては、PC、携帯電話、iPhoneのどれにも出せるような広告とその仕組みを開発していきたいと思っていますし、現在とりかかり始めたところです。配信のベースはもちろんインターネットですので、そういったところをCMS(コンテンツ管理システム)のような仕組みでやっていきたいですね。
――近藤さんのご趣味は? また、座右の銘などありましたら教えてください。
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社会人になってから始めたゴルフですね。人生の半分はゴルフをやっていることになります(笑)。趣味というよりリフレッシュのためにしているのは、ジムのプールで週1回程度泳ぐことと、週末の家事手伝い、特に料理をよくしています。アンチョビを使ったオイルベースのパスタは家族にとても好評です。 座右の銘は、ゴルフつながりで、ジャンボ尾崎さんが言っていた「百試千改」という言葉です。元は、明治時代の酒造家の、百回試して千回改めたというその努力を評価した言葉です。ジャンボ尾崎さんが言っていたのを聞いて、ネットの世界もそのとおりだなぁと思って、心にストンと入ったので、最近気に入っています。今現在の自分の会社での立場や置かれている環境では、百回試すことまでは許されませんが、それでも、自分の考え方、動き方においても「いろんなことを試していいものにしていきたい」という思いは常にあります。何より、あの道を極めたジャンボ尾崎さんですら今もこうなんだから、自分もそうしていくぞ、と心しています。 |


