第7回の贈賞式レポート

2009年9月29日、東京都港区の明治記念館にて、社団法人日本アドバタイザーズ協会、Web広告研究会が主催する「第7回Webクリエーション・アウォード」の贈賞式が行われた。

まずはじめに、Web広告研究会 副代表幹事 新島徹の挨拶。

「これまでの6年間、Web、インターネット分野で貢献されているさまざまな方を『Web人』として表彰することができたと自負しております。同時に、本アウォードの認知が高まるにつれ、責任の重さも痛感しております。本年は、インターネット、Webの世界で目立った、社会に役立つ、新しい、楽しい、便利、というキーワードを元に、推薦をいただきました。これから発表いたします11組の方々は、こうした視点から厳正に審査された結果、賞をお贈りすることになった次第です。この皆様は、大賞はもとより、今回は一般投票で最も投票数が多かった『気になるWeb人で賞』も新たに設け、より一層さまざまな角度から公平に選ばれた方々です」


いよいよ各賞の発表。プレゼンターはWeb広告研究会 代表幹事 渡辺春樹が務めた。

今年から学生賞は廃止、Web人ユニット賞は該当者なしだった。


次はWeb人賞の発表。本年度は過去最多の8名が受賞となった。

1人目は株式会社トリスタ、赤星琢哉さんが受賞。

受賞理由は、「読書に関する事柄を気軽に記録できるサイト「読書メーター」の企画、運営において読書とインターネットの新しい融合を創造し、多くの読者の支持を得た」。

赤星さん 「以前学生賞を頂いたのですが、そのときのWeb人賞受賞者の方々がとても大きく見えて、僕もいつかWeb人賞をいただきたいなと思っていました。そんなWeb人賞、大変うれしく思っています。推薦してくれた方、投票してくださった皆様には大変感謝しております。ありがとうございました!自分が考える受賞理由は、たくさんの方が応援してくれたこと以外で他にあるとすれば、自分が使いたいサービスを素直に作ってきたことが理由かな、と思っています。今後は出版社や書店の方々とコラボなどしたりして、ネットの世界だけにとどまらず、リアルでも実感できるような「読書メーター」を作っていきたいと思っています。あと世界進出ですね!」


2人目のWeb人賞は、石井ゆかりさん(個人)。残念ながら当日は欠席。

受賞理由は「星占い等テキストコンテンツサイト『筋トレ』において、自称『1人の無力なエンドユーザー』という立場ながら、多くの一般ユーザーの支持を集めた」。
後ほどいただいた石井さんのコメントは、「一般投票でユーザに応援していただいた結果だと思います。ありがたいの一言です」

3人目のWeb人賞は、株式会社マピオンの加藤隆志さん。

受賞理由は、「携帯サイト『ケータイ国盗り合戦』の企画において、新たな地図のあり方を提案し実現。また、その運営においては、クロスメディアの媒体特性を活かした事業展開にも取り組む意欲的な活動を行った」ため。

加藤さん「私はWeb業界に入ってから、『日本人のハートに火を点ける』というコンセプトでやってきました。それを自分なりに表現したものが『ケータイ国盗り合戦』で、評価いただけたことは大変うれしく思っております。
このゲームは、ユーザーのみなさまに実際にいろいろと移動していただくものですので、今までいったことがないところはもちろん、行こうとも思ったことがないようなところに行くためのきっかけになればいいなと思っております。将来的には、このゲームをきっかけにして、日本の地域活性、町おこしのようなこともやっていきたいと考えています。当サイトから発信・発進して、日本をもっと元気にできたらなぁ、と思っています」


4人目のWeb人賞は、ソニーマーケティング株式会社の長島純さん。

受賞理由は「ハンディカムのサイト『Cam with me』において、ビジターに疑似体験をさせることによって商品の効果的なコミュニケーションを図り、新たなインタラクティブ方法による商品訴求を提唱した」。

長島さん「縮小傾向にあるビデオカメラ市場において、潜在層・新規需要の創出は不可欠です。そのような層を掘り起こすためには『ココロを動かす深いブランド体験』をより多くの生活者へ届ける必要があると考えました。そのため、時間的な制約がなく、他メディアに比べて表現性の高い、ダイレクトな訴求が可能なインターネット上でのコミュニケーションを選びました。Web空間が持つパーソナルとソーシャルの両側面を理解した上で、どうすれば『ココロを動か』し、『感動』が伝播していくのかにこだわり続けました。その思いが『Cam with me』に触れていただいた生活者の方々に伝わった結果で、大変うれしく思います」


5人目のWeb人賞は、株式会社リクルートメディアテクノロジーラボの永田香澄さん。

受賞理由は、「Webサイト『コマーシャライザー』において、コミュニケーションの斬新な手法を提起。広告表現上の深い知識や技術がなくても、誰にでも簡単にWeb上に動画広告を作れるという画期的な手法を創出した」。

永田さん「今回の受賞は、『CMを簡単に誰でも作れる』というコンセプトで打ち出すことにより、『世の中の広告(CM)に対する人々のあこがれ』を行動に変換するきっかけを作りだせたことによるものと考えております。『商品力と宣伝力の乖離を仕組みで埋めることで、売りたい人が買いたい人に販売できる世界に。その結果、クリエイターが考える宣伝クリエイティブの質がより上がるように。』を目指して、これからも進んでまいります。
受賞はとてもありがたく感じております。特に、ユーザー投票という制度での審査のため、まだ会ったこともお見かけしたこともない方から推薦をいただき、ご評価をいただけたことが、もっとも喜ばしいと感じている点です」


6人目のWeb人賞は、株式会社ロフトワークの林千晶さん。

受賞理由は、「クリエイターのための、オンライン上の日本最大級のクリエイターネットワークを構築。さらにプロジェクトマネジメントの知識体系をいち早く導入し、Web業界全体に多大な貢献をもたらした」ため。

林さん「生まれて初めてもらう賞がこんなに立派なものだなんてシアワセです。受賞もさることながら、ノミネートされた段階で本当にたくさんの人から応援やお祝いの言葉をいただきました。その言葉は今までの自分へのご褒美であり、同時にこれからの揺るぎない原動力になると感じています。受賞は、起業したときから今日までみんなと一緒にやってきたことすべてが『ひとつの成果』として評価していただけたからだと思っております。国境を越えてクリエイティブの流通を実現するために、ロフトワークの多言語展開を行うことが直近の目標です。これからもみんなで力をあわせて、ハッピークリエイティブを実現していきたいと思っています。応援してください!」


7人目のWeb人賞は、ヨシナガさん。
会社員の仕事の時間以外で、個人として仮名で活動しているため、残念ながら顔出しはNG。

受賞理由は、「Webの世界で、組織を持たない、あるいは小規模組織の、資金が乏しい個人でも、十分に活躍できることを証明。累計1億5000万のアクセスを記録した日本最大級の個人サイト『僕の見た秩序。』や、携帯電話サイト、記事制作、イラスト制作、サーバ管理と多岐にわたり、一般ユーザーに支持された」ため。

ヨシナガさん「自分はノミネートされたほとんどの方々と違い完全な個人なので、受賞を聞いたときは驚きました。昼はサラリーマン、夜はクリエイターという特殊な生活をしています。個人でもインターネットに作品を公開することで、それが日本や世界の多くの人に見ていただける時代が来ているため、今回の賞を頂けたのかなと感じています。今後、多くの個人の方がインターネットを利用して、大きな成功をつかむ時代が来てくれれば良いと思います。個人のものづくりをインターネットに発表して8年以上ですが、今後も続けていきたいと思います。テレビや本など、インターネット以外の媒体でのものづくりも、さらに積極的に行っていきたいです」


8人目のWeb人賞は、株式会社大和総研の米山徹幸さん。

受賞理由は、「IRサイトを定量評価する方法を日本で初めて開発し、企業IRサイトランキング評価の先駆者として活躍した」ため。

米山さん「Web広告研究会が、広告ではなくIRのサイトに賞をくださったことは大変うれしく思います。現在の企業は、社外の人に頼ることなく、社内の人が端末のEnterを押すことによって、24時間365日、会社から直接世界中にIR情報を届けることができるのです。
今やWebサイトは、世界中の人々の企業情報のアーカイブで、最も信頼されるリファレンスになっています。ますますこの傾向は大きくなるでしょう。これからのIRは共有サイトの時代で、人々の意見の新しい交換の場になっています。Twitterしかり、パワーポイントしかり、アナリストが書くブログも整備されています。私もIRのこの時代を支えていきたいと考えています」


次に、一次審査の一般投票で最も多くの票を集めた人が受賞する、気になるWeb人賞だが、ニフティ株式会社の林雄司さんが受賞。

受賞理由は、「身近なところでお金をかけずに楽しめることを見つけ、実際にチャレンジするサイト『デイリーポータルZ』を企画、運営していることが、一般投票で最も多くの支持を得た」ため。

林さん「あまり利益も上げていないサイトなのに、会社が放置してくれたのは(笑)、ひとえに読んでくださるみなさま方のおかげです。それだけでもありがたいのに、受賞で僕をますます甘やかせていただいて、ほんとうにありがとうございます。みなさまには、海のものとも山のものともわからないものを応援していただいていましたけれども、こうやって賞をもらえると、価値のあるものなんだよということを読者の方に言えるのでうれしいですね。今後は、贈賞式の前日にオープンした携帯サイト『デイリーポータルZ友の会』を始めましたので、ぜひそちらをご覧ください。105円で入れます!」


さて、今年のWeb人 of the year は、株式会社オリコムの武富正人さんに。

受賞理由は、「世界最大デジタルマーケティングad:teckの日本初公開に向け奔走し、デジタルマーケティングの発展に貢献した」ためだ。

武富さん 「思いもかけず、素晴らしい賞をいただきました。グローバリゼーションはコミュニケーション分野にも訪れており、デジタル・テクノロジーの進化は、それを加速しています。そのなかで、ad:techのような国際カンファレンスがわが国で受け入れられたことが重要と考えます。ご協力いただきました多くの方々に感謝したいと思います。日本が持つテクノロジーやクリエイティビティが高いことが明らかになりました。今後は、世界に向けて、日本の魅力を伝えていくことで、”日本のファン”を増やしていくことに注力していきます」


いよいよWeb人大賞、今年は、サントリーホールディングス株式会社の石原洋子さんと小林恵さんのお2人に。

受賞理由は、「サントリー公式ブログ『サントリートピックス』において、単なる情報発信にとどまらず、双方向コミュニケーションを確立させた。そして、クロスメディアにおいて大きな成功を収め、『ハイボール』という言葉をより世間に定着させた」ため。

まずは、石原さんのお話を。
「このたびは、Web人大賞をいただき、誠にありがとうございました。これもひとえに、『サントリートピックス』の読者に支えられてきたもので、感謝の気持ちでいっぱいです。私はサントリーでのものづくりや品質、環境活動を中心に広報活動の一環として、『サントリートピックス』でブログを書いてきました。中でも、ウイスキーの新しい接点として『ハイボール』を中心にエントリーを書き続け、ネット上でのコミュニケーションを意識しながら、イベントなども開催してきました。おかげさまで、『角ハイボール』が飲めるお店も全国45,000店(2009年8月末現在)にまで広がってきました。年末に向けて、さらに一人でも多くの方に『角ハイボール』を体験いただけるように、また書き続けていきたいと思います。今後も引き続き、『サントリートピックス』を通じて、広報活動の一環として、ネット上でつながることを考えながら、継続的にブログを書き続けていきたいと思います。今後ともご支援のほど、よろしくお願いいたします」


次に、小林さんの声をいただいた。

「2年前のブログの設立からこれまで、試行錯誤で取り組んでまいりましたが、ご助言をいただけるたくさんの方々に支えていただきました。そして何よりも、ブログ読者の皆様、イベントにご参加いただける皆様がいらしたからこそ、ここまで継続することができました。『ハイボール』の活動は、広報だけではなく、営業や宣伝等、弊社全体のウイスキー復権への熱い想いが込められた取り組みでございます。今回はその代表として賞をいただいたものと思っております。
そして、ハイボールをご愛飲いただいている消費者の皆様への感謝の気持ちを胸に、表彰式に登壇させていただきました。これからも、これまでどおり地道に記事を書かせていただきたいと思っております。1人でも多くの方にブログを読んでいただいたり、イベントにご参加いただけたりできれば大変幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします」


最後にWeb広告研究会 Webマーケティング年鑑プロジェクトリーダーの小川亨より、総評があった。

「今回ノミネートされた方々は71組、推薦をしてくださった方は64名、推薦総数は123名でした。一次審査の一般投票数は1690票、一次審査通過者は20組。栄えある受賞者数は、こちらにいらっしゃる11組の方です。おかげさまをもちまして、今年の推薦数は過去最高となっております。
今年のアウォードは選考過程により透明性をもたせようという試みをいたしました。それが、一次審査における一般投票です。この登場で最も多くの支持を集めた方を、『気になるWeb人で賞』として表彰させていただきました。また『Web大賞』でも、昨年度からの試みを踏襲いたしまして、会員投票数の最も多かった方に贈賞するということにさせていただきました。
今回で7回目を迎えた本アウォードですが、“人”を讃えるという試みは、一定の認知を得られてきていると思っております。今回の受賞者のみなさまの顔ぶれを拝見しておりますと、昨年同様企業サイトに携わった方が多いのですが、目だったのが、一個人として活動されている方々の受賞です。人に焦点を当てたアウォードですので、こうした方々が受賞するのは非常にうれしいこと。インターネット、Webの世界におきましては、こうした個人の努力によって、大企業に匹敵する成果を獲得することができる、大勢を惹きつけることができることが可能であるということを証明していただいたのではないかと思っています。
大賞を受賞されましたサントリーの石原様、小林様は、新しいコミュニケーションの形をつくられた。これは、Webの新しい世界の新しい潮流になるのではないかと感じております」


授賞式の後には、立食式の懇談会会場へ移動。受賞者のみなさんはもちろん、受賞者とともに支えあってきた方々、現在そしてこれからのインターネット、Webの世界を牽引していく方々が一同に会し、楽しみつつ真剣にこれからの私たちの進んでいくべき方向について大いに語り明かしました。


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