第6回の贈賞式レポート

2008年9月16日、明治記念館にて社団法人日本アドバタイザーズ協会、Web広告研究会が主催する「第6回Webクリエーション・アウォード」贈賞式が行われた。

はじめに、Web広告研究会 グローバル企業サイトマネジメントWGリーダー高橋宏祐より挨拶。

「今年6年目となりますが、今までの5年間、実に多方面で様々な方をWeb人賞として表彰することができたと思っております。今年は、さらに多様性をもたせるために、今までの一般からの推薦のほか、Web広告研究会のワーキンググループからの推薦も加え、合計で104件もの推薦が集まりました。本日Web人として選ばれる方々は、この104件のなかから厳選な審査を通じて選ばれた方々となります。このWeb人賞のなかで、もっともWebの世界に貢献した方へWeb人大賞が贈られますが、今年はいったいどなたになるのでしょうか」


いよいよ各賞の発表。プレゼンターはWeb広告研究会代表幹事、棗田眞次郎が務めた。

まずは「Web人学生賞」の発表。しかし今年は該当者なしという結果になった。「本年度は学校の先生などの協力により、多くの推薦があり、優秀な作品が集まったが、人を表彰するアウォードが、作品のわずかな優劣だけで審査を行うのは本意では無いので、あえて見送ることにした」という理由が述べられた。

続いては「Web人ユニット賞」の発表。本年度は「株式会社バスキュールの皆様」が受賞となった。

株式会社バスキュールは、先進的で独自性の強いWebサイト制作を行い、各企業のキャンペーンサイトやブランディングサイトなどを手がけている。斬新なアイデアと技術力で、これまでにないWebサイトを制作し、Webの世界に貢献したことが受賞の理由だ。テクニカルディレクターの田中謙一郎さんは「会社にいる30名ほどのスタッフみんなが受賞を喜んでおります。2000年に会社を設立して、新しいWebサイトの制作に関して何かできないのか、何か新しい価値を見いだせないのかとチャレンジしてきました。その結果としてこのような賞をいただきまして、非常に光栄です。これからも我々バスキュールとして日々新しいもの、そして世の中に貢献できるものを生み出して参りたいと思います」と代表してコメントした。


次はWeb人賞の発表。本年度は5名が受賞となった。


1人目は大阪ガス株式会社 技術戦略部長出馬弘昭さんが受賞。

1995年のインターネット黎明期に、家庭向けの「ボブとアンジー」という料理レシピサイトを公開。企業イメージの向上とともに、料理レシピサイトのモデルを確立したことが評価された。出馬さんは「1995年当時、企業のサイトが多い中、家庭向けのサイトを公開したことが話題になっていろいろな賞をいただきました。ほぼ10年振りくらいにまた賞をいただくことになりましたが、これを機会にさらにWebクリエーションに貢献していきたいと考えています」とにこやかに述べた。


続いてはチームラボ株式会社 代表取締役社長猪子寿之さん。

検索エンジン「SAGOOL」や動画検索サービス「サグールテレビ」などユニークで革新的なWebサイトを数多く手がけたことが評価された。また、au design projectへの参加など、アート作品にも取り組んでいる。猪子さんは「はじめまして。このような光栄な賞をいただきありがとうございました。今度ともよろしくお願いします」とコメントした。


Web人賞3人目はソシオメディア株式会社 代表取締役篠原稔和さんが選ばれた。

ユーザビリティや情報アーキテクチャという観点からWebサイトやアプリケーションのユーザーインターフェイスの重要性を啓発し続けてきた。その功績をたたえ受賞となった。篠原さんは「Webサイトにおけるユーザビリティや情報アーキテクチャといったことを皆様と一緒に勉強したり考え方を共有したりといった、ある種地味な活動に光を当てていただいたことに、感謝したいと思います。これをきっかけにこのような分野に多くの人が興味を持っていただけることを願っております」と述べた。


続く4人目はジェイマジック株式会社 ラボ兼技術開発部 シニアマネージャー皆川卓也さんが受賞した。

モバイルサービス「顔ちぇき!」の開発に初期から携わり、半年間で7000万人のユーザーが利用する大ヒットサービスを生み出した。皆川さんは「ジェイマジックは、画像認識をキーとした画像検索を進めている会社です。顔ちぇき!はそういうコンセプトから生まれました。今回、顔ちぇき!に関しては私一人の力ではなくて、会社のメンバーや使っていただいたユーザー様のおかげでここまでくることができたと思っています」と感謝の言葉を述べた。


Web人賞の最後はニフティ株式会社 代表取締役社長和田一也さんだ。

ニフティの経営戦略において、インターネットの利活用分野に注力することで、大きな方向転換を実現。また、業界内外で大きな話題を呼んだ「y or n」という大胆な広告キャンペーンを展開。その手腕と決断が受賞の理由だ。和田さんは「別にびっくりするようなことをやったとは思っていないんですが、ニフティが少し元気がないところに副社長として就任して、とにかく元気にしなきゃいかんなということで、特に利活用、Webサービス部門を集中的に変えていきました。一番喜んでいるのは、現場で汗をかいている社員の諸君だろうと思います」と喜びのコメントをした。


ここで「Web人 of the year」の発表。残念ながら今年度は該当者なしとアナウンスされた。


続いては「Web人大賞」の発表。「Web人 of the year」が該当者無しだった一方で、2次審査の会員投票で最多得票をした、2名の方に贈られることになった。


1人目はアジャイルメディア・ネットワーク株式会社 代表取締役坂和敏さんが選ばれた。

アジャイルメディア・ネットワークを設立し、ブログ広告枠の代理販売、「ブロガーリレーション」の仲介、ブロガーイベントの開催などブログメディアの価値向上に貢献したのが受賞理由だ。坂和さんは「我々は設立1年半の小さな会社なんですが、今回予想外の賞をいただくことができまして、たいへんうれしく思っています。我々をご推薦くださった皆様方に御礼を申し上げたいと思います。また、本日まで我々の活動を暖かく見守ってくれたパートナーブロガーの皆さん、協力くださった社外の様々な皆さん、そして何よりも、何もないところからがんばり続けてきたスタッフに感謝の意を表したいと思います。今回の賞では、個人ということで私の名前でいただきましたが、アジャイルメディア・ネットワークという会社は、非常に多くの力添えで支えられています。スタッフやパートナーブロガーの皆さんをはじめ、イベントなどにご参加いただいているメンバーの方々、ご出稿いただいております企業や広告代理店の皆さんなど、ものすごい数の方々に支えられてきていますので、今回の受賞は皆さん全員に送られたものであると考えております。皆さんのご期待に応えるべく、我々は今まで以上の精進を今後重ねて参る所存でございますので、今後ともなにとぞよろしくお願いします」とコメントをした。


2人目のWeb人大賞はトヨタ自動車株式会社 e-TOYOTA部 インターネット企画室 サイト企画グループ長佐々木英彦さんだ。

トヨタ自動車における複数のサイト、ドメインの運営を円滑に行うべく全体的な観点、個別の観点の両面からさまざまな取り組みを実現し、企業サイトとしてトップレベルの評価を獲得したことが評価されての受賞となった。佐々木さんは「2001年からこの仕事に就いて約8年になります。最初はトヨタ自動車のWebサイトを一人でやるということで、いかに社内、社外に仲間を作るかということをやってきました。大企業のWebサイトではありがちなんですが、迷宮のようなWebサイトをひとつひとつ解きほぐしてきれいにすることからはじめ、ここ1~2年でようやく新しいことができそうな感じになってきました。そんなときにこのような賞をいただけてほんとうによかったなと思います。これは私個人というよりも、私と一緒にこの仕事をやってきてくれた皆さんのモチベーションにつながると思います。これからも、これを糧に仲間を増やして他の企業やWebサイトの影響を与えるWebサイトにしていきたいなと思っています」と述べた。


最後にWeb広告研究会 プロジェクトリーダーの森下尚子より、総評があった。

まずは
「当アウォードは今年6回目を迎え、今回受賞された方々を含め50名を超えるWeb人を選んで参りました。Web広告研究会の今年の「宣言」は「ネット活用多様化新時代」というものですが、今回募りました104件の推薦を見ますと、数だけでなく分野も非常に多様化してきていると思います。改めて贈賞者の顔ぶれを見ますと、企業サイト、ブログネットワーク、ポータルサイト、Webサービス、モバイルとさまざまなフィールドで活躍されている方々でした。また、それぞれの関わり方も、コンサルティング、エンジニアリング、クリエイティブ、営業戦略、経営戦略といった非常に多岐にわたるもので、まさに「ネット活用多様化新時代」の到来を感じさせる結果となったといえると思います。」
と今年度の感想を述べた後、

「今年は選考過程で二つの新しい試みを行いました。ひとつはオフィシャル推薦です。Web広告研究会のワーキンググループからオフィシャルに推薦をいただくというもの。結果的に今回の受賞者の方々は、オフィシャル推薦から選ばれた方が多くなりましたが、一般の方からも重複した推薦をいただいたり、応援コメントをいただいたりしていますので、Web人に対する内外のギャップはほとんどなかったと思っております。もうひとつが会員投票による大賞の決定です。これは審査過程をより明確にするために行いました。その結果、最高得票が2名となり、2名がWeb人大賞となりました。一方Web人 of the yearは審査委員会の協議の結果、表彰を見送ることになりました。」
と、新しく導入された選考方法について解説。

そして
「Webクリエーション・アウォードでは未来のWeb人を発掘するという意味で、Web人学生賞を用意していました。これまで過去2回該当がなかったので、今回は応募方法などを見直しました。その結果学校の先生方などにたいへんご協力をいただいて、今までにない推薦をいただくことができたのですが、今年も残念ながら贈賞を見送る形となりました。推薦された方々の作品は非常にクオリティは高かったのですが、アウォードの性質上、作品ではなく人を表彰するという意味から、作品のほんの少しの優劣で賞を決めるというのはいかがなものかとう意見があり、あえて贈賞を見送りました。ご協力いただいた先生や学生の皆様には、改めて御礼を申し上げたいと思います」
とWeb人学生賞が該当者なしとなった経緯について説明があった。

最後に
「当アウォードは複数回の受賞を制限しておりません。今回受賞された皆様も、ぜひ引き続きご活躍いただき、この壇上で会えることを期待しております」
と締めくくった。

PAGE TOP