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The Handshake Company プロジェクト

株式会社博報堂/株式会社東北新社/イマジナティブ株式会社/マイクロソフト株式会社/株式会社博報堂DYメディアパートナーズ

The Handshake Company


世界中の見知らぬ人と握手することを目的とした、バーチャルな「会社」

 The Handshake Companyは、マイクロソフトのポータルサイト「MSN」のブランディングキャンペーンとして始まったプロジェクト。インターネット上の見知らぬユーザーと握手をすることを目的とした架空の「会社」だ。ブログパーツと仮想空間を組み合わせ、メディアへの昇華を目指している。

――The Handshake Company設立のきっかけはなんでしょう?

 元々は、クリッカブルな時のアイコンが「手」に変わるマウスのポインタに着目しました。マウスのポインタは、いわば自分の手の分身じゃないですか。その自分の手の分身で、何かをやりたいと思ったのがきっかけです。最初はバナーのなかで何かをやろうと思っていたのですが、話し合っていくうちにブログパーツという形態になりました。

――実際にやってみるとわかるんですが、ブログパーツを通じて見知らぬブログなどにアクセスし、その閲覧者と握手をしますよね? これを行うことで、何か効果があがるんでしょうか?

 数字上の効果というものはあまり考えていません。インターネットはメールやチャットで物理的につながっているわけです。しかしそこに人肌とか体温が感じられないなと。インターネット上でもっと人の存在とか、その先に誰かがいるっていうことを感じてもらえることはできないかと思ったんです。
 メディアとしてThe Handshake Companyを見た場合、このプロジェクトをやることで、バイラルがどこでブレイクするのかを知りたかったんです。ブログパーツが貼られた数とかアクセス時間の流れとか、そういう数字は得ることができます。そのような数値を見ながら、どこでこのブログパーツの人気が出るのかとか、どういう人の流れなのかということをサンプリングして、ほかのMSNのキャンペーンにも活かせればと思っていました。公開して2ヶ月あまりでブログパーツの設置数は約1000になりました。

――一応、The Handshake Companyは広告メディアですが、何を広告しているのかがイマイチわかりづらい印象があります。

 普段は別のポータルサイトを使っているユーザーが、他人のブログを見ているときに、たまたま穴から人が出てきて、握手をする。興味を持って、今度は自分が握手を求める側になって人とのつながりを逆に与えていく。そういうことをすることで、MSNって面白いな、MSNっていいことしてくれるサイトだなと思っていただきたい。ブランディングの方向はそこです。握手した数などは実はどうでもよかった。ややもすれば、オンラインの冷たい世界の中で、ネットサーフィンをしているユーザー同士が偶然出会い、握手をした瞬間に生まれる心の温かさ、エンゲージメントの度合いというものが知りたかったのです。握手をすることで、みんながほんわかした気持ちになってくれれば大成功です。

――チャット機能がついていますが、日本語が使えません。日本発なのに日本語が使えないのは、何か意図があるんですか?

 このプロジェクトは、握手をした瞬間の達成感であったり、人の温もりを感じることが最高の悦びなのです。しかし、日本語でチャットをしてしまうと、チャットをした瞬間に人とのつながりができてしまい、ある種の達成感ができてしまう。それでは、ブログパーツを使う意味がなくなってしまう。日本語が使えないのは、握手をした瞬間の感情をMAXにするための、一種のギミックなんです。

――これからThe Handshake Companyはどのように発展していくつもりですか?

 すでにいくつか「あのブログパーツに広告を出せないか」という問い合わせがありました。ただ我々としてはThe Handshake Companyの世界観を崩すようなことはしたくない。僕たちの気持ちに対して、応援してくれるような企業があればやってみたいですけど。たとえば、1握手につき10円、企業が寄付をするとか。そういう形で盛り上がることができればいいですね。
 ある意味このプロジェクトは、MSNのキャンペーンでありながらMSNを否定しているものでもあるんです。ポータルサイトというものは、いろんなコンテンツを掲載して人を集めていきます。しかし、The Handshake Companyは、「握手したい」という個人のモチベーションのみで人が集まってくるというところがポイント。ニュースやツール、利便性ではなく、「感情」で人が集まってくれるのかというのはチャレンジだと思います。実際やってみて、感情で人を集めるということをThe Handshake Companyはできていると実感しているので、ひょっとしたら新しいメディアの形なのかもしれないと思いますね。

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