Web人大賞

畑村 匡章

株式会社ディー・エヌ・エー ポータル・コマース事業部 モバイルポータル部 部長

モバゲータウン


会員数が600万人を超える携帯向けゲーム&SNS「モバゲータウン」をプロデュース

携帯電話向けゲーム&コミュニティサイト(SNS)として2006年2月にサービスを開始したモバゲータウンは、1年半未満で600万ユーザーを獲得するという驚異的な成長を遂げている。モバゲータウンの企画者である畑村匡章氏は、PCとは違う、携帯ならではの文化を的確に捉え、ポータルサイト化を進めていく。

――モバゲータウンをはじめたきっかけは?

 当初考えていた事業が2つありまして、1つがゲーム、1つがECサイトだったんです。当時、ドラクエとかFFが携帯でできるようになって、ゲームがこれから携帯でできるというのが宣伝されていた時期だったんですよ。最初は公式サイトに登録してモバオクとかポケットアフィリエイトのトラフィックを持って行けば、ウハウハになるんじゃないか、と思っていろいろ調べていたんですけど、伸びているところはメジャーなタイトルを持っているところだけで、中堅どころは苦戦してそうかな、という感じがしたんです。今からうちがそこにいって戦っても意味がないんじゃないかと。当時から着メロのゴルゴンゾーラとか、広告で食べていくビジネスモデルがあったりして、これは結構行けるんじゃないかと。無料のゲームというのは結構引きがあるんじゃないか、携帯でもそのようなモデルも通用するんじゃないかと考えて作ったというのが最初です。

――立ち上げたときのプロジェクトの環境、人数は?

 最初は、僕と技術者、営業面を担当する人間の3人ではじめました。2005年の10~11月くらいです。企画のアイデアは8月くらいからあって、実際固まったのが10月くらいです。10月くらいから本格的に開発しました。システムは少数精鋭でやっています。

――ゲームとコミュニティだったらゲームが最初だった?

 コミュニティはセットで考えていました。日本のゲームサイトは、ゲームをやって終わりという感じがしたので、そこにコミュニティの要素を持って行って、ユーザーさんの退会率を0に近づけようと。おかげさまで退会率は低い基準を保っています。

――ユーザー数が爆発的に増えた要因はなんだったのでしょうか?

 最初のコミュニティ醸成に気を遣いました。当社の運営するサイトの優良そうな会員さんや活発に動いてくれそうな会員さんに「こういうサイトができたので使ってみませんか?」というメールを出しました。それで、ドカドカ人がやってきてくれて。入った瞬間から日記を書き始める人もいて、1日目でほぼ問題ないだろうというレベルまでアクティブなユーザーができましたね。単純にゲームだけで入れても爆発的なアクセスは見込めないと思ってましたけど、コミュニティのおもしろさで増えてくれたのかな、と。賑わい感というのは重要です。

――アバターのシステムの成功例はほとんどありませんでしたが

 ここは外せないところで、広告を糧にして運営していくと思ったときに、広告を見てくれた人にあげるポイント(モバゴールド)を何に使うんだということで、成功のためにアバターは外せないな、というのはありまして。是が非でも成功させるという思い入れがありました。モバゲーそのものを開発期間は3~4ヶ月間くらいだったんですけど、そのうち1ヶ月間はアバターの部分だけに使いましたね。使い勝手とかサクサク感だとか、デザインも数パターン作って、アバターの制作を委託した会社に5個も6個も案を出してもらって携帯の画面で確認しながら、トライアンドエラーを繰り返して作り上げていきました。その結果、ユーザーの方がアバターをどしどし着替えて、コミュニティにも参加してくれました。携帯はアバターを動かしたくても動かないとか技術的な制約があるので、うまくいくかは自信はありませんでしたが、意外と受けたかな、と。

――パソコンの一般サイトに比べると年齢層が非常に低く、メインユーザーは中高生だと思いますけど、最初からターゲットにされたのでしょうか?

 アバターを子供っぽい感じにして、メインターゲットとして狙っていたのは事実ですが、大人でも子供と同じように楽しめるという狙いもありました。実際、徐々にユーザー層も上がってきています。最初は10代ユーザーが75%以上あったんですけど、今では半分を切ってます。ゲームというコンテンツは、40歳半ばくらいまでの人は抵抗はなく遊べると思っています。僕が35歳なんですけど、すごいやりまくっていてますし(笑)。

――ユーザー間のトラブルの対処法は?

 掲示板で荒れるのはいやだな、と思っていて、サークル単位で掲示板を持って、サークルのオーナーさんが削除権限をもって管理してもらうという仕組みにしました。サークル単位で、サークルの人たちで守ろうという動きがありますね。あとは、通報制度。ユーザーさんが悪いものがあれば教えもらう。また、運営側も特定の方法で変なものがあれば削除するようにしてます。それからペナルティ制度というのがありまして、変な書き込みをして、特定の行為に当てはまると、1週間コミュニティ活動ができなくなるという制度があります。SNSでコミュニティに制限を設けている制度は、ほかにはないと思います。

――ケータイのみでPCはアクセスできないという理由は?

 単純にPCをやる余力がないというのが一つの理由なんですけども(笑)。コミュニティ的な観点で言うと、PCの文化と携帯の文化でだいぶ違うと思うので、混ざり合ってしまうと気持ち悪いな、というのが正直あります。今はWebでも絵文字でも書けるという仕組みが出てきていますが。ただ、今後まったく(PCへの参入が)ないかといえば、そういうわけではなく、ユーザーさんが要望があればやると思います。とはいえ、今のところ要望があるかというとそこまではありませんので、まだかな、と思ってます。

――モバゲータウンの目標は?

 まだまだ会員数を伸ばしたい。1000万人は早く達成したいと思います。方向性としては、ポータル化、多様性を持たい。最近ニュース速報を入れたんですけど、そういったコンテンツや、乗り換え案内、検索も入れようと検討中です。携帯のトラフィックを集めて行きたいですね。また、モバイル広告の単価を上げないといけないと思いますね。ユーザーさんの利便性を考えつつ、検索が入ることで広告の単価が上がればいい。余計な情報は排除して、必要な情報だけものを出さないと使いにくいと思います。PCの世界とはまったく違ったありかたができると思うので、模索しながら進めていきます。

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