第4回の贈賞式レポート

2006年9月7日、大手町サンケイプラザにて、Web広告研究会が主催する「第4回Webクリエーション・アウォード」の贈賞式が行われた。(以下、肩書きなどは当時のもの)

開会の挨拶として、Web広告研究会顧問・岩城陸奥がアウォード開催の意義について説明。
「アウォードは今年で4回目になりますが、始める時はどういうアウォードにするのか議論がありました」と誕生時のエピソードを語り、本アウォードがWebサイトに関わっている「人」にスポットを当てていることを紹介。直接候補者を取材して、本当にその人が発案したのかを確認するという選考過程について説明した。


挨拶が終わり、いよいよ受賞者の発表。最初に発表されたのは昨年創設された「Web人学生賞」。残念ながら、今年は該当者無しという結果に終わった。

続いて、こちらも昨年創設された「Web人ユニット賞」。株式会社リコーのGR BLOGチームが受賞した。GR BLOGは、GRデジタルのプロモーション展開においてユーザーの声を積極的に集め、コミュニティを形成する目的でブログを活用したことと、開発から運営、ブログの執筆まで社内のみで行ったチームワークが評価された。発案者であるリコーの野口智弘さんは、「GRデジタルは発売してちょうど1年になりますが、本日こういう賞を頂いて、1年目の誕生日プレゼントをもらったように感じています」とチームを代表してコメントした。


そして、Web人賞の7名が続けて発表された。

1人目はBlogPeopleの永沢和義さん。ブロガーの利便性を第一にしたサービスを開発・運営をしたことが評価された。
永沢さんは「ブロガーの永沢です」と自己紹介したあと「ブロガーがこういうところに立つと何をするかというとモブログです」と言い、携帯電話で会場の写真を撮り会場の笑いを誘った。


続いては、松下電器オキシライド有人飛行プロジェクトの岡康之さんが受賞。広告展開でケーブルTV、テレビCMなどさまざまなメディアを活用するクロスメディア企画の中で、Webを効果的に利用したことが評価された。
岡さんは、「もし(飛行機が)飛ばなかったら自分の首が飛んでいたんちゃうか? と思いながらキャンペーンをやっていました。今日は栄えある賞をいただいて、いい感じで飛んで行けそうです」とジョークを交え挨拶した。


3人目はMARSFLAGの武井信也さんが受賞。検索エンジンMARSFLAGの開発において独自のアルゴリズムでサービスを展開されたこと、寡占状態にある検索エンジン業界で、純国産の検索エンジンとして挑んだ開発力と決意が評価された。
武井さんは、「受賞をして何かをなしとげたという実感はないのですが、これからも新しいサービス、新しい価値をどんどん作っていきたいと思います」とコメントした。


4人目はbrotherhoodの松原淳さん。はてなで展開する社員ブログにおいて、担当するプリンタ関連商品のプロモーションのみならず、自社コンセプトもPRしたことが評価された。
松原さんは、「賞をもらうのは小学校4年生の頃に牛の絵を描いて以来で、本当にびっくりしています。自分の仕事はインターネットなどを使って新しいものを出すことなので、これを励みにがんばっていきたい」と今後の豊富を語った。


5人目は富士通のWebマスターとして、主にアクセシビリティに関する取り組みを行っている高橋宏祐さん。アクセシビリティというテーマにいち早く着目し、業界全体の意識改革、標準化に多大な貢献をしたことが評価された。
高橋さんはチームのスタッフに感謝した上で、「アクセシビリティはWebのキーテクノロジーとしてカタチが見えにくいんですが、ユーザビリティと共にどんどん形にし、インターネットの発展に貢献していきたい」とコメントした。


6人目はサイボウズの青野慶久さん。Webベースのグループウエアの開発により、BtoB市場において2万2,000社以上の導入実績を実現。独特なテキスト広告・バナー広告にてWeb上の広告主としても存在感を示したことが評価された。
青野さん本人は都合により欠席だったが、ビデオメッセージにてコメント。同社の広告キャラクター「ボウズマン」の被り物で会場を沸かせたあと、「グループウェアはクライアントサーバ型が主流でしたが、Webの技術に特化したことで誰でも簡単に導入できるようになりました」とコメントし、販売や広告についてもWebを活用したことをアピール。「今はWeb2.0など新しい技術が出てきておりますが、今後もWebに貢献できるよう、ボウズマン共々サイボウズをよろしくお願いします」と締めくくった。


Web人賞の最後はnifty、Podcasting Juiceの清水孝治さん。ポッドキャスティングに国内でいちはやく着目し、個人でポッドキャスティングのニュースサイトを立ち上げただけではなく、自社のポッドキャスポータル・Podcasting Juiceにて、さまざまなコンテンツを配信。ポッドキャスティングの伝道師と呼べるその活動が讃えられ受賞となった。
清水さんは「ポッドキャスティングの仕組みを使えば、話すことに才能がある人、映像を撮る才能がある人、そういった方がインターネットで簡単に情報を発信できる。利用する方はiPodのようなデジタルプレイヤーでパソコンの前にいなくても利用できる、新しいライフスタイルに少しでも貢献できたら嬉しく思います」とコメントした。


そしていよいよ、今年1年間もっとも活躍された方に贈るWeb人of the yearの発表。受賞者は、産経新聞iza(イザ!)を運営する、産経デジタルの阿部雅美さん。産経新聞社のニュースサイトiza(イザ!)において、記事に対するブログエントリーの受付や、記者ブログの実施などマスメディアのブログ展開として斬新な機能を提供し、ジャーナリズムと個人の間を結ぶ挑戦が讃えられた。
阿部さんは、会場の中でも最年長だと思うので気恥ずかしいとしながらも、「新聞協会賞をいただいた時よりもうれしい」とし、「既存のマスメディアは頭が固い。タブーもたくさんある。そういった壁をなんとかして打ち破ろうというスタッフ一同の熱い思いをiza(イザ!)というサイトに結実させたつもりです。本日賞を頂いたことで、風穴くらいは開けることができたのかな、と感じています。今後もタブーに挑戦し、既存のメディアをあっと驚かせるようなサービス・機能を付加していこうと思っています。微力ですが、日本のインターネットの健全な発展に貢献して行けたらと思います」とコメントした。


最後にWeb人大賞の発表。今年はナビタイムの大西啓介さんが栄誉の受賞。独自の経路探索エンジン、地図描画エンジンをベースに、携帯電話に搭載されたGPS機能を活用したナビゲーションアプリケーションを開発したこと、同時にウェブサイトでもサービスを展開し、携帯電話・パソコン・PDAと複数のプラットフォームで優良なサービスを提供されたことが評価された。
大西さんは、「(このアウォードでは)はじめて携帯関連での受賞ということになったそうですが…」と驚きと共に前置きし、「去年の秋からパソコンのWebも立ち上げ、今年の頭には(月間)30万アクセスくらいだったのが、先月は2200万と急激な伸びを見せています。Webと携帯とパソコンを連動したナビゲーションサービスがようやく成り立ってきたのではないかと思っています」とナビゲーションシステムの成熟度を評価。
「これからは携帯のコンテンツ革命だけではなくて、位置情報を利用した広告媒体としても、パソコンと携帯でビジネスを展開したいと思います」と今後の展開について語った。


閉会に当たってWeb広告研究会副代表幹事の渡辺春樹が本年度のアウォードを総括。
はじめにWebクリエーション・アウォードの推薦数が年々増えていることに触れたあと、「今年のテーマはWeb2.0になるのかな、と思いましたがそうでない方も選定されまして、結果的によかったかなと思っています。特に大賞を受賞されたナビタイム大西さん、サイボウズの青野さん、それからMARSFLAGの武井さんなどは、Webのプラットフォームとしての活用ということで活躍されている。一方で、ブログを使ったプロモーションもあり、バラエティが豊富だったと思います」と分析。

一番注目した点として「Web研では、今年の2月のフォーラムで『マスメディアからメガメディアへ』と宣言しましたが、それを実感するような受賞者の顔ぶれになったことで、宣言は間違っていなかったと実感しています。特にWeb人of the yearを受賞されたiza(イザ!)は、マスメディアからメガメディアへと飛躍していく挑戦だと思っています」とizaの今後に期待を示した。

該当者無しだった学生賞に対しては、「学生賞がなかったのは残念だと思います。将来のWeb人を目指す若い人を発掘するというのも我々の使命だと思っております」との考えを示した。

最後に受賞者に対して「何回受賞しても構わないので、さらに活躍していただき、またこの場でお会いしたい」と締めくくった。

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