Web人賞

高橋 宏祐

富士通株式会社 コーポレートブランド室 担当課長、Webマスター

富士通 Webアクセシビリティ


Webアクセシビリティのノウハウを提供

大企業が率先してWebアクセシビリティの実践例を作り、当たり前のものにしたい

高齢者や障がい者でも使いやすいかどうかの指針になるWebアクセシビリティが、JIS規格の策定もあり注目されている。Webアクセシビリティにいちはやく着目し、ノウハウやツールを提供、講演などを行って貢献してきたのが富士通のWebマスター、高橋氏だ。

--Webアクセシビリティに着目した理由は??

Webマスターとして、テキストエディタなどでページを作る機会も多かったのですが、自分で作ったページはカッコイイ、使いやすいと思っていました(笑)。ところが、ある日右手を脱臼しまして、1ヶ月利き手でない手でWebを操作してみたら、全然使えないわけですよ。いやに細かいことをしていたりとか。このとき、アクセシビリティは障がい者だけが対象なのではなく、だれにでも必要なことなのだな、と思ったのがきっかけです。当時は、アクセシビリティを考えている人はほとんどいなくて、いろんな人と話したところ「富士通さんがやらないと誰もやらないよ」と言われてしまった。「確かにそうだな」と思い、市場を作ることを視野に入れ、取り組みをはじめました。当時、世界を見回してもマイクロソフトとかもやっていなかったので、これをやれば世界で一番になれるかな、という気持ちもありました(笑)。

--どのような成果を上げられたんでしょうか?

「富士通ウェブ・アクセシビリティ指針」という総勢100ページになるアクセシビリティに関するノウハウを2002年に一般発表しました。JISの指針が出たのが2004年なので、アドバンテージがありました。コーポレートサイトで、トップページに「アクセシビリティ」という項目を設けたのも富士通が初めてです。
また、会社の売上にも貢献できました。自治体や官公庁から、イントラネットを再構築する際に、障がい者への対応も必要ということで、「指針を出している富士通さんにお願いしよう」と言っていただけたのです。

そのほか、チェックツール(富士通アクセシビリティ・アシスタンス)を無償提供していおり、累計で10万本ほどダウンロードされています。
マクロメディアさんとコラボレーションで、DreamWeaverの中にアクセシビリティチェック機能を組み込んだのも成果のひとつですね。富士通は堅い会社、一方、マクロメディアさんはクリエイター向けのエッジの利いた会社。ブランドイメージの異なる2社が補完しあったことは、大きな効果を得られたと考えています。

--JISのアクセシビリティ指針があとから出ましたが、協力もされたんでしょうか?

富士通社員がJIS策定の委員として参加し、富士通のノウハウをJISにフィードバックしています。

--Webアクセシビリティへの取り組みへの評価は?

2003年のグッドデザイン賞をWebサイトとして取ることができました。日経パソコンの企業サイトユーザビリティ評価も3年連続で1位を取ることができて、世間的にも認められたかな、と思っています。

--将来的な目標はありますでしょうか?

ユーザビリティ、アクセシビリティが当たり前になってほしいですね。IT企業として実践事例をどんどん作って市場を作っていきたいと思います。やはり大企業がやらないと、「当たり前」はできないと思うんです。そういう意味では、強い使命感を持っています。

PAGE TOP