Web人賞

岡 康之

松下電器産業株式会社 NAM本部 コミュニケーショングループ 宣伝企画チーム

オキシライド有人飛行プロジェクト


新乾電池の実力をクロスメディアで発信。Webをインターフェースとして活用

Web&CATVなどのマルチ展開で魅せる
オキシライド有人飛行プロジェクト

「乾電池で人が飛ぶ」。これまでTVなどで展開していたオキシライド乾電池の広告としてスタートしたプロジェクトが「オキシライド有人飛行プロジェクト」だ。プロジェクトスタートから実際に飛行機が飛び立つまでをリアルタイムで見られるコンテンツとしても評価が高い。プロジェクト自体はもちろん、クロスメディア展開に注目が集まったこの仕掛け人が岡康之氏だ。

――オキシライド有人飛行プロジェクトをスタートしたきっかけは?

 3年前にオキシライド乾電池の発売が開始され、これまで車や電磁石や音質比較、デジカメ比較などの実験広告を展開してきました。これらはオキシライド乾電池のスペックをわかりやすい形で見せることを目的にしたものです。
 その次の展開として有人飛行機を飛ばすことを思いつきましたが、アイデアの段階で協力パートナーを求めたところ「乾電池で飛ぶわけがない」とどこからも断られてしまいました。しかしこのアイデアを諦められず、自分や同僚と共に勉強して300~400Wの出力が乾電池で出せれば人は空を飛ぶのではないかという仮説を立てました。この仮説を基に東京工業大学と相談した結果、プロジェクトをスタートすることができました。
 もともとはCMだけを手がけていたのですが、「ひとつのメディアだけに力を注いで広告を打つよりも、違うルートで3回見る/聞くことのほうが信頼性が高くなる」という考えのもと、複数のメディアにまたがった企画としてまとめました。元部長の「金がなかったら頭を使え。頭がなかったら足を使え」という、アイデアと実際に動く重要性についての言葉が、今の自分の原点になっています。

――プロジェクトの期間やスタッフの構成は?

 2006年1月に企画がスタートし、飛行機の開発がスタートしました。社内メンバーは5~6人。東京工業大学の有人飛行機開発には23人が参加しています。さらに関連会社を含めると全体で40~50人体制でプロジェクトが運営されました。4月にはWebサイトとCATVがスタートし、最終的に7月に実際に飛行機を飛ばすまでに至りました。飛行会の初日には残念ながら飛行することはできませんでしたが2日目に成功しました。

――プロジェクトに対する反応は?

 当初は懐疑的な意見も多かったのですが、実際に飛んだ後は評価がアップしていると感じています。「応援」を広告コンセプトに据えてWebサイト上でメッセージを募集したところ、4~5月には1000件程度でしたが6~7月には1万件近くの書き込みがありました。中傷など悪質な書き込みがあることを警戒して投稿内容をチェックしてからの掲載という体制で行いましたが、心配していた事態にはならず、フリーにしても良かったかもしれないと思います。最終的に個人個人の顔が見える展開になったのはうれしいですね。またVictorと連携してオキシライドの応援ソングの募集も行ったのですが、歌詞つきの楽曲を録音して応募するという難しい条件の中で、500~600件の応募があったことも良かったと思います。
 Webという媒体を活用したことで、日本だけでなく世界各国からも注目されるプロジェクトとなりました。実際に飛んだ7月16日には、NHKや民放などで取り上げられたほか、国内のWEBサイト、YouTubeにも動画がアップされるなど、世界中のメディアで取り上げられる結果となりました。これはWebのグローバルな面が大きな役割を占めたためだと思います。

――これからのチャレンジは?

 空は実現したので、次は水か宇宙ですかね(笑)。ここで終了というわけではもちろんありませんし、これからも「オキシライド乾電池の力=おどろき」を伝えて行きたいと思います。

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