Web人賞

松原 淳

ブラザー工業株式会社 NID開発部 事業化グループ

Brotherhood


ブラザー社員とユーザの間でのコミュニケーション

少人数からのスタートで今は「会社の顔」

「At your side」というブラザー工業株式会社のビジョンを実現するために松原氏が選んだのはブログだった。社長の「どんどん若い人はチャレンジすれば良い」との言葉に後押しされ、お客様の視点に立った情報発信とコミュニケーションの手段として、「はてな」でスタート。現在は社内外の「顔」として、重要なコミュニケーションの手段となっているという。

――「Brotherhood」を開始したきっかけは?

 もともと私はプリンティング研究部という部署に所属していました。この部署には、新しい事業を考え出すというミッションがあり、インターネットをテーマに何かできないか、と考えていました。そこで、2002年ぐらいにブログに出会い、研究しているうちに見ず知らずの人と人との間にも信頼できるコミュニケーションがまれていることに注目するようになりました。当社のビジョンに「“At your sideな企業文化”を定着させる」というのがありまして、社員ひとりひとりがお客様視点で思考し行動するというものです。ブログを使えばはこのテーマに一歩近づけるのでは? 社員の思いを伝えられるだけでなく、今までとは違った形の関係をお客様との間に築けるツールになるのではないだろうかと思い立ちました。
 一方で昨年Webクリエイション・アウォードを受賞したはてなさんをはじめ、社員が顔を出して責任を持ってユーザと関わっているベンチャー企業を見て、自分の会社でも同じことができないかという思いもありました。はてなの仕組みを使ったのは、社内ですでに利用していたこともありますが、ブラザーでもはてなのように少しでも「顔の見える」会社にしたいという思いがあったからですね。

――Brotherhoodに関わるスタッフは?

 私を含めてライターが2人、デザイナーが1人、他2名の5人体制です。原稿に関しては取材して書くものと、それぞれの社員が書くものの2種類があります。特に社内での成果指標は設けていません。社内でのチェックがあることとデザインをデザイナーが行う以外はほとんど一般のブロガーと同様の作業環境ですね。社内のチェックといっても、一定の部分でのフィルタリングを除いて「ゆる~く」作業しています。あとはこのブログを「Brotherhood」と命名してくれた先輩の存在も重要ですね(笑)。

――どのような反響がありましたか?

 2005年2月に実際にブログがスタートし、これまでに4回のプレゼントキャンペーンを行いました。これまでに行ったメディアなどでのキャンペーンや広告と比較しても、ブログ上のキャンペーンは大きな反響がありました。ご自分のブログに一言「ブラザーの商品が欲しい」と書いていただければ、プレゼントに応募できる企画だったのですが、それ以上に色々なコメントが寄せられたのはうれしかったですね。  また社内での反響もあり、少人数で始めたプロジェクトが今や会社の顔として取り上げられるようになりました。面白いのはブログ掲載したエントリがそのまま営業の資料として利用されている点ですね。例えばレーザプリンタの仕組みについての「こだわり」部分の解説は、海外の営業担当に特に評価されています。対外的な部分だけでなく新人研修用の資料としても利用されています。
 現在はプリンタと複合機の部署のブログだけですが、そのほかのプロダクトについても同様のブログを開設したいという提案が出ているようです。

――これから挑戦したいテーマは?

 お客様との直接のコミュニケーションが図れる場なので、まずはブログを続けていきたいです。これからも「At your side」をテーマに運営していきたいと思います。

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