Web人賞

清水 孝治

ニフティ株式会社 サービスビジネスグループ コンシューマメディア部

Podcasting Juice


個人も発信できるポッドキャスティングのポータルサイト「Podcasting Juice」を企画・運営

ポッドキャスティングをライフスタイルとして根付かせたい

iPodなどモバイル端末でダウンロードして聴ける「音声版ブログ」、ポッドキャスティング。そんなポッドキャスティングにいちはやく着目していた清水孝治氏が立ち上げた「Podcasting Juice(ポッドキャスティングジュース)」は、ラジオ局や有名人の良質な番組を提供する一方、誰でもポッドキャスティングを配信できるブログパーツを用意するポータルサイトである。

――プロジェクトをはじめられるきっかけは?

2005年の1月、ポッドキャスティングが日本ではまだあまり知られていなかった頃、アメリカでブームの兆しがあったので、個人的に情報を集いろいろ集めては、社内でもポッドキャスティングって面白いよ、って話をしていたんです。すると、社長にポッドキャスティングを説明する機会があり、「じゃあ、やってみろ」ということになったんです(笑)。それまでは携帯サービスのチームに関わっていたんですが、これを機にポッドキャスティングの専任者として別の部署に異動しました。

――オープンするまでの期間はどのくらいだったのですか?

3ヶ月です。ポッドキャティスティングの情報提供と、ラジオ局への営業、個人が音声ファイルをブログに上げてポッドキャスティングができるパーツを開発して、サービスを開始しました。

――niftyさんはココログというブログサービスを提供していますが、ほかのブログでも利用できるようになっていましたね

そもそもポッドキャスティング自体が知られていなかったので、コンテンツを作っていかなければと思っていました。ココログ以外のユーザでもブログを持っている人なら誰でも配信できていいんじゃないかと。社内では「どうだろう?」という否定的な意見もあったんですけど(笑)。

――プロジェクトのスタッフは何名だったのでしょうか?

専任の担当者は私だけで、後はココログのスタッフと開発者2人が兼務として携わっていました。最初はこの3人だけですね。

――スタート時はポッドキャスティングが知られていなかったのですが、どのように宣伝されたんでしょうか?

タイミング的に良かったのが、7/7にポッドキャスティングジュースはスタートしたんですけど、その直前の6/28にアップルさんがiPodがポッドキャスティングに対応したというリリースを出したんです。それで多くの人がポッドキャスティングを知ることになったんですが、日本語の番組ってないじゃないか、ということになりまして。そういう状況だったので、リリースを流しただけで初日から数万ダウンロードされるという、想定をはるかに超える反響がありました。どうやってポッドキャスティングを広めていこうか悩んでいたので、これは本当にラッキーでした(笑)。

――スタートしてから番組を持つユーザーは順調に増えたのでしょうか?

日本人がしゃべるのはどうなの? という感じはありましたが、最初の1ヶ月で数百件だったのが、現在ではのべ1万以上のユーザーがブログパーツを使って発信しています。

――ポッドキャスティングそのものから説明しなければいけなかったと思うんですが、工夫された点はあるのでしょうか?

まずは、iPodで自動的にダウンロードして聴ける、ということを知ってもらいたかったので、企業さんのコンテンツを集めることに注力しましたね。やはり一番音声コンテンツを持っているのはラジオ局さんなので、スタートするときに一局でもラジオ局さんに乗ってもらうことを目指しました。全部のキー局を回って、どこも消極的だった中、Inter FMさんが「面白いからやろう」と乗ってもらえて、英語をワンフレーズ紹介する番組を提供してもらったんです。その後も落語の番組など、さまざまなコンテンツへと広がり、現在では全32社に提供してもらっています。

――音声だけではなくて、ビデオのサービスも提供されていますね

音声だけじゃないというのをアピールしたかったので、スカパー!さんやスクウェア・エニックスさんに営業して、12月にリリースしました。そのあとは個人のブログパーツとして映像を配信できるようにしました。

――ビデオだと容量が大きくなって大変だと思うのですが

何MBまでアップロードさせるか、と点をブログの担当者と議論しました。ビデオの番組を10分~20分をやるなら、1ファイル40MBくらいは必要だ、と主張しました。ブログの担当者もわかってくれて、40MBでやることになったんです。大盤振る舞いですよね(笑)。

――ポッドキャスティングのポータルサイトとしてある程度の地位を獲得したと思いますが、今後の目標を教えてください

今はポッドキャスティングがiPodでしか使えないというイメージがありますが、iPod以外の端末や携帯電話などいろんな端末でもポッドキャスティングを使えるような環境を、ニフティとして整えてければと考えています。そして、すべてのポータブルデバイス対して音声と映像を発信できる、スタンダードになりたいと思っています。

――今後もポッドキャスティングの文化は広まっていくでしょうか?

テキストをブログで発信するだけではなくて、「話して伝えたい」というニーズもあると思います。 視聴者にとっては、パソコンの前に居なくても利用できるという点が便利ですよね。今年の4月に3000人に対してアンケートをとったんですが、通勤時など移動シーンでの利用が半分くらいあるんですね。インターネットに繋がらない場所に持ち出すことができ、コンテンツも継続的に手元に届く。新しいライフスタイルとして、ポッドキャスティングを根付かせていきたいですね。

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