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コーポレートブランド室メンバー

株式会社東ハト コーポレートブランド室

暴君ハバネロ


「当たり前をくずかごに」を実践

新生東ハトを象徴するヒット商品を都市伝説に


お菓子のプロモーションと言えば、TVや雑誌など多くの媒体へ掲載し注目を集める手法が一般的であった。しかし「暴君ハバネロ」はWebという媒体にフォーカスし、長い期間マスメディアへ露出することなくヒット商品へとのし上がった。この戦略はこれまでのマーケティング/プロモーションの手法からは考えられないもので、そのヒットまでの流れと共に大きく注目されている。その仕掛け人となったのが(株)東ハトのコーポレートブランド室だ。

――暴君ハバネロのプロモーション活動のきっかけは?
(写真:代表の丸山氏)

 暴君ハバネロに先立ち、新生東ハトとしてこれまでのプロモーション体制を一から見直す作業を始めました。そのひとつとしてWebページの刷新が開始され、2003年5月15日~7月10日の期間でまず静的なコンテンツとして建て直しを図りました。これに続いて動的なコンテンツの導入を検討・推進し、その中で2003年の11月から暴君ハバネロのプロモーションを開始したんです。
 暴君ハバネロは、菓子としては「辛さ」を前面に出した商品コンセプトなので非常にコア・ユーザーの狭い商品であると考えました。Webでのプロモーションが注目されましたが、実際には媒体として「Webありき」で企画が進行したわけではありません。対象ユーザーがどのようなライフスタイルであるかを検討し、その結果として「都市伝説/都市神話」という展開を目指すアイデアが生まれた。この狙いに合う媒体だったのが、都市部での交通広告であり、Webのコンテンツだと判断したわけです。Webで広告展開をする一方で、Webユーザーだけが商品のターゲットではないという問題があります。エリアや商品属性によって目的に応じた媒体を見定め、ひとつの回路としてWebを利用するという姿勢が基本となっています。
 特に暴君ハバネロのような、コンセプトがはっきりとした商品はユーザー層がナローになるとともに深くなる傾向にあります。このため幅広いユーザーに訴えかけることよりも、対象ユーザーにきちんとコンセプトを伝えることが広告の目的となります。「誰に買ってもらうのか」というのが見えなくては何も始まらないですから。

――コンテンツ制作で気をつけた点は?

 まず商品の中身とコンテンツをきちんとマッチングさせることが必要でした。このため商品開発者とコーポレートブランド室が共同で作業を進め、コンセプトやワーディングを煮詰めた上で制作を行っています。Webという媒体は、ユーザーが貴重な時間を割き、接続料を支払った上でアクセスするものであるという認識を持つ必要があります。単なる広告をWebページの体裁で掲載すれば見てもらえるというわけではありません。能動的にアクセスしてもらうためには、常にユーザーに提供し続けるコンテンツがなくては意味がないのです。
 ユーザーの支持のおかげで暴君ハバネロは1年以上、コンビニの棚に並び続けています。新しい商品を世に出してもその中で市場に定着するのはごく一部なのが現実です。そのごく一部の商品として、コンセプトと共に市場に受け入れられることができたと考えています。

――このような展開を生む原動力は?

 まず根本として旧来の宣伝・広報の常識や仕組みをぶち壊したいという思いがあります。同じ手法と同じコンセプトがすべての商品に当てはまることはありえません。それぞれの商品に合わせ、開発からマーケティング、コンセプト構築までをトータルで意識し、対象となるユーザーをしっかりと見定めることが第一歩です。新生東ハトとして現在、新しいマーケティングコミュニケーションのスキームを構築している最中です。
 暴君ハバネロが成功したからといって「Webだから注目された」という考えはありません。必要なコミュニケーション、広報や広告を通じてのメッセージを、望まれる場所に発信したから、結果が得られたということでしょう。

――コーポレートブランド室の今後の展開は?

 これからの動きは、まったく未知数です。続けてWebに注力するか、それとも別の媒体を利用するかは新たに売り出す製品によると考えています。ただ、共通するのは「商品コンセプトを伝えるべきところに伝わるコミュニケーションを」ということであり、それ以外に同じ手法を続ける価値はないと思うからです。その動きのひとつとして、旧来の東ハト製品についても新しい体制になった際に同様のコンセプト確認やマーケットリサーチをやり直しています。商品によって最適なコンセプトであると判断した場合には、これまでの流れを引き継ぐ可能性もありますし、全く違った展開をする可能性も同じくらいあります。エリアごと/対象ユーザーごとに、最適な広告展開を行える媒体はどれなのか、既存のものを含め今後登場する媒体についても関心を持って判断していく必要があると考えています。

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