Web人賞

笠原 健治

株式会社イーマーキュリー 代表取締役

mixi


インフラとして社会に貢献するSNS

ブロードバンド時代のビジネスを
根底から変えてみたい


わずか2年前には誰も知らないサービスだったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)は、プロフィールと友人関係を公開して行うコミュニケーションサービスである。そんなSNSを、約130万人が参加するほどの大規模サービスへ育て上げたイー・マーキュリー笠原健治氏。mixiは、単なるコミュニケーションサービスの枠を超え、ブロードバンド時代の新たなインフラとなる。

――SNSを立ち上げようとしたきっかけは何でしょうか?

 2003年の10月頃の話です。当時留学生だった開発者が留学生仲間でFriendster(http://www.friendster.com/)をやっていて、自分でも開発したいと提案してきたのがきっかけです。最初は私も「なんだろう?」という感じだったのですが、いくつものサイトに登録し、使い始めてみて、これは面白いと思ったんです。非常に斬新で、日本では見たことないな、と。当時のSNSはまだまだプロトタイプ的なものでしたが、自分の顔写真やプロフィールを公開したり、友人の一覧を辿ったりすることができる、という点で、強く興味が湧きました。
 事業としてやろうと考えたときに、2つ大きな可能性があると考えました。
1つは社会的に見た場合に、有効なツールとして活用できる可能性がある。何より友人とのコミュニケーションが取り続けやすい仕組みとして機能すると思ったこと。
もう1つは、収益的に見ても大きな可能性がある、と思いました。ゆくゆくは誰もがアカウントを持つような可能性を感じ、インフラとして広がれば、広告も含め、かなり大きな収入の柱となるのではないかと。

――開発をはじめてから公開するまでの経過は?
提案した開発者や、デザイナー、企画スタッフと一緒に、私もプロデューサー的に企画・機能的なところを担当しました。もともとのインターフェイスは私が作りました。開発者はゼロからデータベースの作成・構築等プログラムを組み始め、2004年の2月に公開となりました。

――ユーザーからのフィードバックは?

 それはもっともmixiの特徴的な点ですね。サービスがはじまった当初はまだまだざっくりとした感じでしたので、ユーザーの方から頂いた沢山の意見を参考にしました。mixi日記やブログを検索してユーザーの方のご意見を拾ったり、ヒアリングを何度も行いました。当時から、ユーザーが何に一番不満を持っているかということを調べ、どういった解決策があるかの選択肢を考え、その中で最もユーザーの満足度が高いもの、緊急度の高いものに対し対応してゆくということを繰り返してきました。これはイー・マーキュリーのルーツであるFind Job !という求人情報サイトの運営を通じて社内に蓄積したノウハウであると思っています。

――100万ユーザーとなったわけですが、当初からこの規模になるというイメージはあったんでしょうか? また、今後の目標は?

 それを前提としてはじめたわけですが、実際そのとおりユーザーが増えているのはありがたいと思っています。9月第2週に入り、約130万人にまで増えました。なるべくインフラ的に広まってほしいと思っていますが、具体的に何万人という目標はありません。また、人数よりも、アクセス率(3日以内に少なくとも1回はログインする率)が約70%と、サービス開始当時からユーザーの方が変わらずご利用頂いていることの方が重要だと思っています。

――mixiが日本最大になった勝因は?

 難しいですけど……。簡単に言うと、ユーザーの意見や要望を積極的に汲み上げ、愚直にみんなが力をあわせてやってきたかだと思います。率直に批判されることもありましたが、そういった意見を冷静に考えながら消化していった点が、うまく機能したのではないでしょうか。

――SNSを運営していくエネルギーの源になっているものは?

 いくつかあるんですけど、社会的・事業的な可能性が非常に大きいというところではないでしょうか。
 まだmixiは完全とは言えません。より大きな絵というか、ゴールへ持って行けるのではないかという意識は強くあります。インフラとして、誰もがアクティブに使っているサービスになりたいと思っています。mixiを活用することで、これまで得られれなかった新しい知識や情報が得られる。そういう状況が高い密度で実現できればよいと思っています。また、開発当初からのコンセプトである、身近な人とのコミュニケーションが深まり、興味・関心を同じくする人と交流することで、ユーザーの方にとって豊かな人間関係の一助となればこれほど嬉しいことはありません。今後とも、mixiをよろしくお願い致します。

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