Web人賞

太駄 健司

インターネット広告のひみつ管理者

インターネット広告のひみつ


個人でインターネット広告に関するサイトを運営

本音としては「やめられなくなってしまった」


1998年に「アホでもわかる!インターネット広告リンク集!」と銘打って開設され、「インターネット広告のひみつ」に名前を変えた個人サイトは、タイトルが示す通り、国内外のインターネット広告に関する非常に多くの情報が掲載されている。その運営者である太駄健司氏の正体は、広告代理店に勤めるいちサラリーマンである。

――「インターネット広告のひみつ」を開設したきっかけは?

 そもそもは大学時代にインターネット広告に関する論文を書いたことがきっかけです。「他の人が書いていない論文を書こう」と考えたときに、その当時はまだインターネット広告について書かれたものがなく、かなりの情報を収集しました。せっかく書いた論文や集めた情報をそのまま放置しておくのはもったいないと考え、まずはリンク集としてWebサイトをスタートしたんです。それが「アホでもわかる!インターネット広告リンク集!」ですね。その後論文を掲載し、古い情報の削除やその後も追いかけている新しい情報を追加しながら、現在の「インターネット広告のひみつ」に至っています。
 Webサイトは、インターネット広告について体系的に理解できるように論文形式になっています。業界内で大きな動きがあった場合には加筆や修正をしています。しかし細かい動向については論文の形に反映しきれないので、最近ではブログを併設して国内外のニュースを紹介したり、短期的な小回りの効く情報提供を行うようにしています。こちらは数日に1回は更新しています。情報収集からWebサイトの管理まで、自分1人で行っています。協力者を募ることも検討したらよいのでしょうが、専門的な知識やスキルが必要なことと、このサイトで収益をあげていないという2つの点から1人でできる範囲にとどめています。
 こうしたWebサイトを続けているのは、日本ではインターネット広告について専門的に扱ったオンラインメディアがないことも理由のひとつです。海外の情報を取り上げているメディアはあるのですが、専門用語の誤訳や事実誤認によって、正確な内容が伝えられていないことが少なくありません。もし自分のほかに情報提供をしてくれるメディアが誕生すれば、このサイトの役割は終わるかもしれませんね。

――サイトに対する感想や反響にはどんなものがありますか?

 まずサイトそのものについてですが「勉強になりました」といったメールによる反応が中心ですね。中には中小の企業さんから実際にどのように広告を展開すればよいかといった具体的な相談をされる場合もあります。
 私は実際に広告会社に勤めているんですが、社内や広告主に対してWebサイトのことは内緒というか大きく宣伝してはいません。部署もインターネット広告専門、というわけではありません。部内でも一部の人はサイトについて知っているので、その種の仕事を頼まれることは少なくないですが(笑)。仕事で関わった人がWebサイトを見ていて、関連した相談を受けることもありますが、直接仕事に結びつける機会はないですね。もともとインターネット広告に対する興味からWebサイトを継続しているんですが、作成/収集した情報の蓄積が大きくなってしまい、もう止めるのも勿体ないし「やめられなくなってしまった」というのが本音ですね。

――最近では書籍を執筆なさっていますね

 Webサイトを見た出版社からオファーがあって書籍を執筆することになりました。基本的な内容はWebサイトに書いたものを再構成したものです。加えて、まだWebサイト上に掲載していない情報や新しい広告手法なども紹介しています。インターネット広告の分野は進歩や状況の変化が非常に激しいので、いずれは改訂版を執筆しましょうという話もあります。

――今のインターネット広告を取り巻く状況と今後は?

 Webを含めたインターネットは広告媒体として成長著しい分野だと考えています。新しい広告手法が次々と生まれているため、情報収集は欠かせません。しかしまだ日本では業界全体を理解し、それを情報として提供するメディアが少ないのです。先ほども言いましたが、今海外のインターネット広告について紹介しているメディアでは専門的な知識が不足していることから、誤訳や正確ではない情報が含まれてしまいます。読み手側の多くもその間違いに気づかずにいると思います。「自分でメディアを始めたらどうか」という意見も頂きますが、現在は仕事とWebの更新で一杯一杯なので、自身でメディアを立ち上げる気持ちはありません。出資してくれる投資家がいれば話は別ですが(笑)。

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