Web人 of the year

渡辺 英輝

ビーコンコミュニケーションズ株式会社 インタラクティブストラテジックプランナーデジタル

P&G アリエール「アイラブ困ったさんコンテスト等


「発言力や影響力を消費者に移した」 ブログをマーケティングに活用

Web2.0の流れに乗ると、
ネット自体が大きく変わっていく


簡単にWebサイトの更新ができるブログは、個人サイトに活用されることが多かった。そんなブログが「ビジネスで使える」ということにいちはやく目を付け、トラックバックなど先進の機能を積極的に利用し、ブログコミュニティにも受け入れられたのが、P&Gの「アイラブ困ったさんコンテスト」である。仕掛け人である渡辺英輝氏は、ブログをはじめ、現在ではポッドキャスティングなどの新しい技術を、マーケティングの世界へ取り入れている。

――ブログを「困ったさんコンテンスト」で採用したきっかけは?

 目的を達成するために、何をするか。テクノロジーはあとづけで、実現するためのツールでしかありません。それを間違えるとだいたい(クライアントへの)提案で失敗することが多いんです。手法よりも、目的を達成するためにはどういうコンセプトで何をやればいいのかという話をすれば、結構すんなりとクライアントにわかってもらえます。その後で手法を選択する作業になります。最近だったらFlash Videoで作るというやり方もあるかもしれないし、HTMLもあるかもしれない、ブログもあるかもしれない。この手法だと、こんなメリット、デメリットがあり、コスト面ではこのくらいになりますと。「アイラブ困ったさんコンテスト」では、この段階でブログが一番いい、という結論になったわけです。こういった方法で話したからこそ、ブログを使っていただけたと。

――ビジネスブログとしては珍しくトラックバックを送信していましたよね

 去年Web人賞を受賞された木村剛さんのブログが盛り上がった理由は、木村さんがトラックバックを使って積極的にコミュニケーションを取ったことが大きいと思います。これはプロモーションでも同じだと考えたんです。一方的な発信よりも対話がともなった双方向的なコミュニケーションの方がメッセージに対する信憑性が高いんですよね。
 実際にやってみると、アリエールの特徴である除菌力に関する肯定的な意見がトラックバックに書いてあった。これはやらせではなく、純粋なユーザーの意見なわけです。トラックバックを積極的に活用することで、今まで目に見えなかったモノが、感想として現れてきた。ブログじゃないと出ない効果が見えたと思います。

――「困ったさん」以降の関わられたプロジェクトは?

 コカ・コーラ ジョージアの会員サイト ジョージア・シティと連動した「ジョージア・シティ オフィシャルファンサイト」と夏のミステリー・ゲーム企画の「ジョージア・コード」。NIKEのブカツブログとオムロンのカラダスキャンの企画立案サポート。それから、シックスアパートのブログASPサービス「TypePad」のマスコットキャラクター・トフを使った、夏休み限定キャンペーンブログ「トフとハナの夏休み」も手がけました。
 また、今年の8月9日~31日までジョージアで「Radio GEORGIA Special Dream Navigators」という企画を実施しました。おそらく企業が初めてポッドキャスティングを使ったプロモーションだと思います。

――Webサービスで興味のあることは?

 ちょっとぼんやりとした話になってしまいますけど、今、Web2.0というのが騒がれていています。要はブログが登場する以前を、第1世代のWebとし、ブログなど、RSSやXMLといったオープンスタンダードな流れをWeb2.0と見る、というものです。Web2.0の流れに乗ると、結構ネット自体が大きく変わっていくと思うんです。
 単純な例でいうと、ブログが出た時点で、発言力だったり、影響力だったりするパワーが消費者に移りました。これは購買行動にも関わっているので、ネットの中の行動や心理を的確に捉えて、マーケティングに生かすというのがすごく重要になっています。
 でも、僕は実はネットの中だけで完結するのは、もう無理だと思っているんです。やはり狭くてひとつのメディアだけでは限界があるんですよ。テレビやイベント、雑誌とか新聞とか携帯とかすべてのものと組み合わせて、ビジネスにつなげるマーケティングをどんどんやっていくべきだと思っています。
 これからはテレビとWebが連動して1足す1を3とか10になるようなことをやっていくべきだな、と思っています。それを実現する為にも、全てのメディアを取り扱っている我々広告代理店がインターネットを積極的に活用したクロス・メディア マーケティングにチャレンジしていくべきだと思っています。

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