Web人奨励賞

田中 良和

GREE 開発運営者

GREE開発・運営


技術の発展が「個人」の力を強めてゆく

GREEは出会いを加速させ、人生を楽しむツール

ソーシャルネットワークサービス。SNSとも略される聞き慣れない単語だが、現在急成長しているサービスだ。人と人を結びつけ、そんなソーシャルネットワークサービスのひとつ。「GREE」は、すでにユーザ数は7万人を突破している。多くのユーザに支えられるGREEを構築し、運営しているのは田中良和、たったひとりだ。

―― GREEを始めたきっかけは?

GREEの企画を立てる前に、Orkutなどソーシャルネットワークサービスがいくつか立ち上がっていました。僕もソーシャルネットワークサービスを使っていましたが、サービス的に不満な点がいくつもあり改善したいと感じていました。そこで、自分の不満を解消したサービスを作ろうと思い立ち、GREEの企画を始めたのです。
まず、自分のサイトのBBSの延長上としてGREEを作りました。次に、ソーシャルネットワークを「人生を楽しむツール」として位置づけたら面白いのではないかと思いつきました。どこかに遊びに行く、食事に行くと仮定したとき、「どこで」「誰と」楽しむかは、とても重要なファクターです。その「誰と」を決めるのに役立つツールとしてGREEを育てようと決め、今に至っています。
いかに快適にサービスを使い、人生を楽しむ手助けができるか。こんな方針が受け入れられてユーザが爆発的に増えているのではないかと思います。
GREEがきっかけで疎遠になっていた人と連絡が取れた、そんなユーザの反響を聞くと嬉しいですね。
「GREEは匿名掲示板として安全か?」。インターネットに限らず、私たちは個人情報の提供を自分でコントロールしています。

―― GREEは田中さんひとりで作ったサービスですよね。

確かに、GREEのサービス企画、プログラム開発、運営はひとりで行っています。サーバの運営費はポケットマネーから捻出しています。サービス企画やプログラムは自分でやっていますから、企画・開発費はゼロです。ウェブサーバの設定など高度な運用知識が必要な分野は、インスタントメッセンジャーやメールで友達に聞くこともあります。
僕は会社員として平日は勤めていますが、GREEと仕事を両立できています。
僕にとってWebサイトの構築は「趣味のひとつ」で、テレビを見たりご飯を食べたりするのと同じぐらい身近なものです。GREEも「ユーザ7万人」という数字だけ見ると、大規模で運用に人出が必要なシステムと思うかもしれません。しかし、ユーザ規模と運営にかかる負担は必ずしも比例しません。
運営者に負荷のかかりにくい運営の仕組みを考えてからサービスを実装すれば、ひとりでも大きなサービスを運用できるんです。

―― 田中さんがインターネットに興味を持ったきっかけは?

インターネットに触れる前に「マルチメディア」ブームが来たのですが、これはあまりピンと来るものがなく、関心は沸きませんでした。98年頃でしょうか、学生の頃にインターネットに触れました。
そのころにはYahoo!やAmazonなど、大きなインターネットカンパニーが成長を続けており、強いあこがれを感じていました。自然とインターネット業界に興味が沸き、現在はIT関連企業に勤めています。IPOによりベンチャーが大きく成長するダイナミズムに大きな魅力を感じていましたね。僕は学生時代にインターネットに触れましたが、僕よりもさらに若い世代は、インターネット上の数々のサービスを身につけた上で社会に出てきています。彼らがどんなサービスを産み出すのか楽しみです。

―― GREEをはじめ、サービスを作る上で気を付けていることは?

まず柔軟性の高いシステムになるよう常に心がけています。これはプログラムだけでなく広い意味での「仕組み」としてなんですが。
システムの方針を決め込んでがっちりと作り込むより、環境の変化に柔軟に対応できる。ある時点で立てた計画書が重要なのではなく、状況に応じて計画が変わっても変更後の計画を遂行できるシステムが重要だと考えています。予測が難しい分野では、短いスパンでプロジェクトを見直す必要があるためです。
これからも、インターネットは持続的に成長できると考えています。コンテンツ、ビジネス共にです。特に注目したいのは個人の力ですね。サーバなどのハードウェアが安価になり、技術も使いやすくなっています。GREEはひとりで構築して運営していますが、ひとりで運営するサービスがもっと増えるでしょう。
技術、経営、サービス構築。この3つのセンスを兼ね備える人が増えているように感じます。これからもっと個人の力が強まるのではないでしょうか。

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