Web人奨励賞

宮谷 大

brest.TV代表

brest.TV


インディーズのお笑いの芸人さん達が、自由に表現できる場を提供したい

インディーズお笑いの世界を多くの人に知って欲しい。宮谷大は、友人に勧められたインディーズお笑いの面白さに感銘を受け、こう感じた。しかし、既存の放送メディアにインディーズお笑いを載せるのは難しい。そこで宮谷は、ストリームを使って「放送」する個人メディア「brest.TV」を立ち上げた。

――インディーズお笑い、濃い世界ですね

はじめて芝居小屋に連れて行かれた時、若手芸人さんたちの迫力に圧倒されたんです。自分の考えた芸に対して、一生懸命な姿に心を打たれてしまいました。そこで、何とか彼らの情熱を伝えられないか、そう思いました。
インディーズお笑いは、芝居小屋の公演が中心で鑑賞できる人は限られています。人を笑わせたい、そんな情熱のある芸人さんが表現できる場がとても限られている。テレビに出れば多くの人が見られますが、インディーズとメジャーの差が大きすぎるんですね。
さらに、常々いわゆる「ブロードバンドコンテンツ」に違和感を感じていました。だいたいは映画の予告編で、別にインターネットじゃなくても見れるものばかりなんですよ。
僕は通っていた専門学校で映像のソフトを勉強していましたが、そこでひらめいたんです。インディーズお笑いとストリーミングを組み合わせて、ブロードバンドコンテンツを作ろうと。これがbresTV誕生の瞬間です。サービス名は、僕がブレストが好きなので、そこから「bresTV」にしました。

――設立までは順調だったのでしょうか

とにかく資金的に困っています。今も困っていますけど(笑) あまりに困ってカフェでアルバイトをして資金を稼いだこともあります。自動車免許を取ろうと思って貯めた資金もありますが、これもbresTVにつぎ込みました。
bresTVは最初に10本のネタをストリームにしてスタートしました。借りていたサーバの帯域が狭く、2人同時にストリームを見るとアウトなんです。そこで、無料ホームページをかき集めて、ストリームのデータを分散させました。
予算がありませんから、撮影やエンコードも手作業です。撮影もカメラ1台でやっています。カメラ1台で人を映す作り方をしていますが、こうすることで観客と同じ目線でストリームを見られるんです。
bresTVを始めたところ、無償で手伝ってくれるスタッフが来てくれました。bresTVの資料となるpowerPoint書類を作ってくれたり、著作権処理のための書類を整えてくれたり、彼らが居なければbresTVは成り立ちません。あと、サイトのプログラミングとサーバ管理を担当している安藤君がいなければ、bresTVはできませんでした。

――収益源として、有料ストリームは考えていないのですか

bresTYは、自由に視聴できるようにしたいと考えています。広告収入ベースで収益モデルを組み立てるべく、広告主を日々開拓に回っています。
bresTVはインディーズ芸人の「表現の場」として考えていますから。面白くてもつまらなくても、発表する場所があるっていいことですよね。もちろん、面白いコントを評価する仕組みが必要ですが。
今でも変わらず芝居小屋に行って、面白い芸人さんをスカウトしています。ようやく、芸人さん達の間でもbresTVが知れ渡ってきました。今はサイトの成長を見てゆくのが楽しみですね。
ファンには、中学から高校ぐらいの女の子が多い。マニアックな芸だと男性のファンも多いですね。ファンレターを送ってきてくれるんですが、芸人さんの励みにもなっています。途中で何度もやめたくなりましたが、芸人さんと観客の架け橋になっていると思うとやめられません。bresTVが、メジャーへの道しるべになる、TVデビューへの道を作る手段へとなればベストですね。

――ブロードバンド放送の課題や不満はありますか

まず、ストリーミングの画質や画像サイズですね。今のbresTVの画像サイズではまだまだと思います。テレビ並みの画質と大きな画面がベストですね。情報量が多ければ芸人さんの細かな表情の変化も読みとれるようになります。「顔芸」の芸人さんには表情は死活問題ですし。
日本のインターネットは、ADSLの普及で急速にブロードバンドになりました。アクセスラインは速くて安いんですよ。でも、レンタルするサーバ、特にストリーミングサーバはまだ高止まりしています。ITバブルで投資した設備が余っているはずです。そういった設備をコンテンツベンチャーに安価に貸し出す仕組みがなければ、日本の新しいコンテンツ産業は育たないと思います。
さらに、地上波やCATVで環境映像を流している時間帯ってありますよね。あの時間をもっとコンテンツのクリエイター達に解放して欲しいです。滝のビデオを流すぐらいなら、bresTVのお笑いを流して欲しいですよ。
bresTVはまだまだ助走段階です。目標は、芸人さん達と収益をシェアできるぐらいbresTVが力を持つこと。これですね。
(小林慎太郎/山本浩司)

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