Web人奨励賞

小野 裕子

GINZA STREET代表

GINZA STREET


個人でも情熱があれば認められる、そんなインターネットの良さを伝えたい

インターネットの利点の一つに、「誰でも情報の発信者になれる」事が挙げられてきた。しかし、実際の情報を発信している個人は利用者全体の一部。さらに、役立つ情報を発信している個人となると、さらに少なくなる。そんななか、プロ顔負けの銀座タウン情報を提供しているのが「GINZA STREET」だ。100万アクセスを突破した銀座のバーティカル・ポータルサイトを運営する小野裕子は「普通のOL」と自認する。しかし、GINZA STREETは完成度の高さが評価され、メディアやポータルサイトから紹介されている。小野の銀座の良さを伝えたい情熱が、情報発信につながったインターネットらしいサイトである。

――GINZA STREETを作ったきっかけは

両親が東京生まれ東京育ちで、子供の頃から家族で銀座に遊びに来ていました。私にとって、銀座は家族の思い出があちこちに埋まっている街なんです。子供の頃から銀座が大好きですから、いろんなお店をチェックしたり食べ歩いたりしていました。いつしか、私は「銀座通」として知人や職場に知れ渡り、相談を受けるようになったのです。
ちょうどそのころ、Windows 95が日本でも登場した頃でしょうか。PCを購入してインターネットに接続しましたが、その可能性に感動しました。インターネットを利用することで、国境や人種も関係なくコミュニケーションが取れるのですから。
さらに、個人が自分のWebサイトを作って情報発信をしている様子を見て、自分もWebサイトを作ろうと決意しました。ところが、なかなかサイトのコンセプトが決まりません。
しばらくアイディアを練っていたところ、友人が「銀座のWebサイトを作ってみたら?」と勧めてくれました。そこで、雑誌やマスメディアで紹介されていない、私の好きな銀座を紹介しようと決意しました。
実は、GINZA STREETを立ち上げたのは3年前で、比較的新しいサイトです。銀座のWebサイトを作ろうと思い立ったのが95年ぐらいですから、5年ほど立ち上げを待っていたことになります。

――個人という立場でのポータルサイトとなると、なかなか大変と思いますが

まず、取材の足がかりを掴むことが大変でした。紹介したいお店が見つかると、営業時間外におじゃまして取材の交渉をします。ところが、「個人」と言ったとたんに取材拒否されることがたびたびありました。
それでもめげずに、なぜ銀座が好きなのか、なぜ銀座のお店を自分のWebサイトで紹介したいのか、一生懸命説明しました。お店紹介はWebサイトのメインコンテンツですし、なによりユーザの皆さんに知ってもらいたい素敵なお店でしたから。
情熱が通じて、徐々に取材に応じてくれるお店が出てきて、GINZA STREETの知名度も上がってきました。今では、GINZA STREEETのURLを書いたカードを置いてくれるお店もあります。
ユーザから「GINZA STREETで見て行ってみたくなった」とメールをもらえると、作り甲斐があったと嬉しくなります。ユーザが増えてきて徐々に、要望や感想をくれる人が増えてきました。年配の方から「もっと老舗を扱って欲しい」とメールをもらうと、励みになります。

――これからのGINZA STREETはどうなりますか

銀座は大きな街ですから、すべてを紹介するには時間がかかります。今は中央通りを中心にお店紹介をしていますが、これからは路地に入ったお店などにも手を広げてゆきたいです。
さらに、地下街がありますよね。銀座の地下街は充実していて、雨の日でも一通りのショッピングが楽しめるんです。そんな地下街のガイドマップをもっと充実させたいと思っています。
取材の中で、明治や大正時代の銀座を聞くと、とてもすてきな街なんです。ところが、いま銀座は大きく変わろうとしています。有名ブランドのブティックが建ち並び、若い人の姿も目立つようになってきました。その代わり、昔からあった書店やパン屋さんがなくなっていることがあります。これまでの銀座独特の良さが失われてしまわないことを願っています。
GINZA STREETは私のライフワークになっています。これからも、毎週お店の情報を充実させてゆこうと思います。お店情報以外にも、3Dや写真を交えて「昔の銀座」をインターネット上に再現できたらすてきですね。

――GINZA STREETは、個人でも情報発信をできると証明しましたね

インターネットの良い点は、努力次第で誰にでも可能性を与えてくれる所だと思います。「作りたい」「伝えたい」という情熱をぶつけてゆけば、必ず応援してくれる人が現れてくれます。
GINZA STREETでは、女性起業家の皆さんにインタビューしています。サイトの意図が伝わらず苦労することもありましたが、たくさんの助言や励ましを頂くこともできました。松永真理さんに一度お会いする機会がありました。松永さんの仕事にかける情熱を尊敬していたので、とても嬉しかったです。また、サイト作りに共感して応援してくださった、東京大学の廣井脩教授に感謝しています。
仕事をしていると、「本当にこの仕事が自分のやりたいことかな?」と不安になることがあるでしょう。私もOL時代に不安になることがありました。でも、インターネットとの出会いが、本当にやりたい仕事に導いてくれたんです。みなさんも興味のあること、好きなことを見つけたときは、自分の可能性を信じて挑戦して欲しいと思います。
(小林慎太郎/山本浩司)

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